
「長年愛用してきましたが、最近はライフスタイルが変わり、もう少しカジュアルな時計を手に取る機会が増えました。この時計の良さを理解してくださる方の元へ渡れば、きっと幸せだと思います」。そんな言葉とともに、非常に大切に扱われてきたグランドセイコーの『SBGX331』をお持ち込みいただきました。ただ単にモノを売るのではなく、愛着を持って使い込まれた「相棒」を次のオーナーへ繋ぎたいというお気持ちが、その丁寧な梱包からひしひしと伝わってきました。お預かりしたSBGX331は、グランドセイコーの「エレガンスコレクション」に属する、究極のドレスウォッチと言える一本です。特筆すべきは、その柔らかなドーム形状を描くデュアルカーブサファイアガラスと、宝珠のような歪みのないケース造形です。内部には、年差±10秒という驚異的な精度を誇る「9F61」クォーツムーブメントを搭載しており、日本の職人技が凝縮された薄型でありながらも存在感のあるデザインは、ビジネスからフォーマルまでシーンを選ばず、袖口に美しく収まります。クロコダイルバンドとの組み合わせも非常に上品で、まさに日本の時計文化の粋を感じさせる名機です。今回の査定で私が最も注視したのは、クロコダイルバンドのコンディションと、ステンレスケースの鏡面仕上げ部分の状態です。このモデルは特にケースの美しさが命ですので、ザラツ研磨によって生み出される鏡面が、微細な傷によって曇っていないかをルーペで入念に確認しました。幸い、前オーナー様は着用後に必ずセーム革で拭き上げ、丁寧なケアをされていたようで、ケースの輝きは新品時と見紛うばかりの美しさでした。バンドについても、使用に伴う曲がり癖はありましたが、革の乾燥や割れはなく、まだまだ現役で活躍できる状態。時計としての価値はもちろんのこと、これまでのメンテナンスの賜物である「状態の良さ」を最大限に評価し、自信を持って最高額を提示させていただきました。こうしたドレスウォッチを長く愛用される皆様へ、専門家の視点からいつもアドバイスさせていただいているのが「革ベルトの定期的なメンテナンス」と「電池寿命の管理」です。特に夏場や汗をかきやすい季節は、革ベルトの裏側に水分が浸透しやすく、そこから劣化や臭いの原因となります。外した際は必ず乾いた柔らかい布で拭き取り、風通しの良い場所で休ませるだけでも寿命は大きく変わります。また、クォーツ時計において最も注意すべきは電池の液漏れです。もし長期間使用しない時期がある場合は、電池を抜くか、止まったまま長期間放置しないことが、ムーブメントの健康状態を維持し、将来的な査定額を高く保つ秘訣となります。提示した金額をお伝えすると、「自分の愛した時計を、プロの方にこれほど高く評価していただけるなんて」と、とても清々しい表情を浮かべてくださいました。私たちが店舗で心がけているのは、単に中古品を仕入れることではなく、前オーナー様がこの時計と過ごした大切な時間を次の方へ繋ぐ「架け橋」になることです。もし皆様のご自宅で、次の出番を待っている時計がございましたら、ぜひ一度拝見させてください。その時計が持つ本当の価値を、専門の鑑定士が真摯に見極め、ご納得いただける結果をお約束いたします。



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